俺様が行く3.   遂にトップに出たかっ!?

俺様の心はブルー。 まるで今日の空の色のようだった。
ここ二回ほどタッチーと釣行しているが まったく釣れない。
五月の後半、調子が落ちた それに反しタッチーは釣れ出した
四月連戦連勝の俺様が まさかの二連敗
今日負けると三盾を喰らう
これでは例年の阪神タイガースではないか!!
釣りは趣味で競争ではない しかし負けるのは好きではない
何より釣れない事は体に悪い
俺様としては本当は一匹釣れてから タッチーと同行したかった
そうしないと自分のペースを見失うからだ。
しかし運命の日は来てしまった 決戦の場は俺様の苦手フィールド
パチンコ屋の裏の溜池だ。
俺様とタッチーは池に入った タッチーの二万円のサングラスは直ぐに始動した。
なんと俺様には見えない二匹の見えバスを発見、 奴はダウンショットで狙い始めた。
俺様は二千円の偏向グラスをかけ、 やや進むとやはり二匹のバスを見っけ。
ロッドにラインを通し、針を付ける 俺様ははやる気持ちを抑えながら 震える手でラインを結んだ。
そこへタッチーがこちらへ来る。
そして、なんと俺様が釣ろうとしていたポイントで 投げやがるではないか
オーマイッガー!!
おまけにすぐに釣れたではないか!!
「俺様の獲物に手ぇー出しやがって」 と俺様が言うと
「僕が狙ってたバスがそっちにいったんや」 とタッチーの反論
これは何かに似ている ふと思った
日本領土である領事館になだれ込んだ 北朝鮮人が中国、日本どちらのものかの論争だ。
しかし捕獲されてしまったものはどーしょうもない。
ここは一発で仕留めたタッチーを誉めておくべきだろう。
なにしろ俺様は心が海のように広い。
けーっして根になど持つはずがない。
きっともたないであろう
持たなければいいけど。
闇夜には気をつけろよ。。。
とりあえず未だ釣りは始まったばかりだ
心の広い俺様は 機嫌良く奴の晴れ姿を写真に収めた。  

指の立て方が下品だね。良い子の皆は真似しちゃ駄目だぞ by Murata

そこから俺様は苦戦を強いられた。
平日だというのに次から次へと五時を過ぎると 釣り人がやって来る。
てめーら仕事はどうなってんだっ!
俺様の仕事のことは聞くな!!
それまでワッキーを結んでいた俺様は 勝負に出た
なんとピンクのバイブレーションをラインに結んだのだ
これなら誰も投げていない 俺様は勝負に出たのだ
俺様のロッドが唸りを上げた
バイブレーションは勢いよく飛んでいく そして、池にザッパーンと白波を立てて突き刺さった。
俺様の勝ちだ
他の釣り師は他所へ行った
しかし魚達も逃げていった
今日は夕方の二時間の釣り
あと一時間ほどしかない
そこから俺様は今日ほどタックルと場所を 短時間にこんなに変えたことがない
そして、ついにシャッドに着いて来る間抜けなバスを発見
しかし喰わない
まあ藻ダンゴになったシャッドを喰う気にはなれないだろう
そこでガード付きワッキーを通すと喰ってきた
やったと思ったと同時に
土手の草に足を取られずるっとズッコケ、バラス
これは合わせ損ねたと日記には書いておこう
そこからは何をやっても喰わない
もう7時を過ぎてしまった タッチーの腹の虫も鳴いている。
辺りは薄暗い
そうだ今こそトップだポッパーだ!!
俺様はわなわなと愛用のS8を結びつけた
このポッパーはすれたバスに良く利くポッパーだ
このポッパーだけで二年前に最低10匹は釣れている。
実は去年は使い飽きて投げていなかったのだ。
さっきバレたバスの居場所はわかっていた
二十分ほど別の場所に居たので
奴はもうワッキーのことは忘れているはずだ
奴の間抜けさ加減を祈った
一箇所高い水草の生えている横 そこが奴のサスペンドの場所
ちょっとだけ遠くに投げ入れて そこへすーっと引き波だけで 誘ってみた
そると途端にガバっと奴は出た
今年初めてトップにバスが喰らいついたのだ
良い子の皆さんはお気付きのように これはけっしてまぐれではない
俺様の読み勝ちなのだ
本当に本気の本当だ
信じて!

クリアなS8の勇姿と俺様

 

 

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