5月31日
「一人で釣りに行って、50アップとか釣っちゃダメ」とか、
昨日タマに言われていたが、今日の夕方散歩がてらトレーシーと室池は砂溜へ行ってみた。

今年は春に酷い目にあった砂溜だけれど、ウィードの攻略が見えてきたので
手軽に釣れだした。
一匹抜き上げて、奥の入り江へ行く。

時刻は夕方の5時45分。
入り江 の手前で、奥へ入って行く50アップの後姿を見る。
岸際50センチのところを泳いでいた。

慌ててカットテールのワッキーをヤツの前に投げ込む。
こちらからは見えない位置にポチャンと落ちた。
感づかれていて喰わないと思っていたら、ふっと微かに動いた。

カットテールなどの小さなワームでは、
デカバスのアタリは「ふわっ」として分かり難い。
そして気付いた時は、一息で飲み込まれていることが多い。

少し高い位置からのヒットなので、手で掴める位置まで誘導するが
このままではラインが切れそうな勢いでロッドが曲がる。
慌ててドラグを緩めるも水没した倒木の下に潜ろうとする。
また慌ててドラグを締め上げて、引きずり出す。
しかし重くて中々掴める位置まで来ない。

「ここでこの浅瀬に飛び込めば、口を掴むことが出来る」と頭を過ぎるが
「先日、40アップで飛び込んだばかりではないか」と革靴の心配をしたりもする。

たった3メートルほどの移動だが、先日の45センチとは重さと引きが違う。
どうしてたった数センチでこうも変わるのか・・・

そして、岸に寄せ出すとまた暴れ出す。
また池に片足を突っ込むことを考えるが、もう手が届きそうだ。
顔のデカさは半端なくデカイ。そして手元が重い。
ラインが恐くて堪らない。
やばいことにやはりルアーを丸呑みだっ!

そして遂にヤツの馬鹿でかい頭に手をかけた。
頭を触っただけで手がすべった。
もう一度ヤツの口へ手を持って行った時
「ぶちっ」とラインが切れた・・・・

しばらく座り込んで放心状態だった。
何を考えても後の祭りだった。
切れたマス針にラインを通そうとするが手が震えている。

それから何とかもう一匹釣り上げるが、何の感動も無い。

そして虚しさで一杯になり、何度も池に片足を突っ込まなかった自分を悔やんだ。
去年は口の端にマス針がかかっていて、ラインブレイクなくキャッチできたが、、、
一息で飲み込まれることを考えると去年の方が幸運だったのかも知れない。
野池で巡り合える50アップは滅多に無い。
ルアーを喰ってくれることはもっと滅多に無い。

帰りの車も「逃がした」ことばかり考えている。今も考えている。
これは何かに似ているとフト思った・・・
「失恋」だ。
こんなに虚しく切ない想い、失恋以外の何物でもない。

せめてあれが49センチであってくれと祈りもする。
兎に角当分虚しいであろう。

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「新しい彼女です。でも元カノが忘れられません」本人談
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