04.11.8
「全然釣りページ、更新してへんやん。お散歩釣り師はどこへ行ったや」
タッチーから久々の釣りのお誘いだった。
「忙しい上に体調不良や、おまけに釣れる気がせえへん」
とけん制するが、構わずタッチーは誘いをかける。
「月曜の昼、釣りにいかへんか」
「ミミズ持参なら行ってもええで 」
俺様は半ば本気で言った。
「なんやエライ自信ないな」
「秋は一番苦手や嫌いなんやっっっっっっっっっっ!!」 と、
抵抗してみたが結局、月曜日、午後の三時過ぎに寺新に行く事になった。

秋晴れの午後の昼下がりである。
「ミミズ持ってきた?」
先に釣り始めていたタッチーが俺様に尋ねた。
「ルアーマンとして、そんな恥ずかしいまねは出来ん」
俺様は決然と言い放った。
俺様の凛々しい態度にタッチーは、
俺様の背後に後光を見るかのように
まぶしそうにうつむいた。
これは決して俺様が禿げているからでは無い。
「こんな3.5インチのカットテールを付けて
小バスを相手にしていてるなんて・・・俺は・・・」
と我が身を恥じ、タッチーは泣きながらルアーチェンジをした。
そうだ、
タッチーよ、分かればいいのだ。

そして俺様もとりあえずスピナーベイト結ぶと
護岸されている岸からルアーの届く範囲をクマナク探った。
しかし10分も経たないうちに
俺様は ロッドを岸に置くと木片を片手に土手を掘り始めた。

「こらこら、俺様は何してんねん」
タッチーが目ざとく叫ぶ。
いちいち人の事にうるさいヤツだ。
釣りとは孤独なものだ、放っといて欲しい。
「ちょっとミミズの生態を探ってるだけさ」
「ルアーマンの誇りはどないした?」
「チリやホコリならあるで。
  大体俺様は秋は苦手や。
   バスはあちこち散りよって。探すのもめんどくさい。
               目の前の小バスを引っ掛けたる」
しかし俺様は、このミミズ探しも10分と気力が続かず、
結局タッチーの3.5インチカットテールを奪うと
対岸へ行き、ルアー投げる事にした。

まあしかし、ここのスレ小バスは、この一年でカットテールを学習して
こんなものは鼻も引っ掛けてくれない。
スピナーもダメ。ラバージグもダメ。
水が濁るとか、波が立つとか、 何か要素が欲しいが
うららかである。

経験から俺様はポッパーを引いた。
これは大人気で沢山の小バスが着いてくる。
でも喰わない。
次にゲンゴールを投げるとこれも大人気。
しかし着いてくるだけで、アタックするものは居ない。
喰わせる要素が欲しい・・・
一時間ぐらい表層高速引きでもしていたら
かかるかもしれないが、それで小バスは寂しい。
グラブでグラビンバズなら喰うかもと思ったが面倒になった。
おまけにもうかれこれ1時間以上は居るではないか。

4時半だ。下界より寒い。
手袋が欲しいくらいだった。
下山する途中、俺様は20日に
尺代へニジマス釣りに行くことを決意した。
そろそろ彼等の季節である。

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