04.7.11
前日の土曜日の夜、俺様宅で
陽平とタッチーと朝方までウダウダと呑んでいた。
そして帰り際 、彼等に声をかける。
「明日、気分が乗ったらフローター行かへんか?」
二人の返事は、
「俺、神戸にカエらなあかんし」
「俺、オカッパリやったら付き合うわ」と素っ気無いものだった。
外に出ると、朝の4時半の空はもう白々と明るい。
この時間に寝ると昼間はだるい。
実は俺様自身もそんなに行きたいとは思っていなかった。

ただ雨が降った。しかも冷たい雨だ。
これで魚の活性があがり
先日の室池の仇が取れるかと思ったくらいだ。
でもたった一回の雨で好転するだろうか?
実のところ、バスばかりでなく
俺様自身も活性が低かった。

そして今日、やはり二日連続朝まで呑んでいたせいか
体がだるい。
夕方、トレーシーと木津川へ一時間ほど行って
帰りに木津に出来たという「無鉄砲」本店に
ラーメンを食いに行く計画を立てる。
トレーシーは
「ラーメンっ! ラーメンっ!」
と無邪気に騒ぐ。
俺様は三時過ぎからダラダラとタックルを選び始めた。

すると俺様の脳裏に様々な出来事が過ぎる。
死ぬ前に蘇るという走馬灯 如しである。

川にはまって、ずぶ濡れになった事。
ハチに追いかけられて、ひっくり返りメガネをなくした事。
根がかりして竿が折れてしまった事。
陽平に52センチを釣れられた事。
全てが木津川での出来事だ。
確か去年 、「もう木津川には行かない」と
泣いて誓ったはずである。

俺様は嫌な想い出に浸っているうちに
時刻は4時半となっていた。

「トレーシー、無鉄砲のラーメンは諦めてくれ」
と叫ぶと、やおらフローターの用意を始めた。
「なんでっーーーーー!!」
とトレーシーが叫ぶ。
「呪いや、木津川の呪いや。あんなとこ行ってもロクな事はあれへん。
 それよりアオミドロが大量発生する前に高山の溜池に行くっ」
去年一度行ったきりの池であるが、木津川よりましに思えた。

泣き喚くトレーシーとフローターを車に詰め込むと
一目散に高山へ向かった。
時刻は5時を過ぎていた。
結局、エントリー出来たのは6時半である。
去年のエントリー場所 は釣り人が多いので
タッチーから聞いたはずの場所? からエントリーした。

池の浅瀬には便器が三ヶも転がっていて
一気に気分が暗くなった。
アオミドロこそないが、手を突っ込みたくない水だ。
タッチーが朝から野池へオカッパリに行ったが
結局活性は上がっていなかったと言う。
もう期待しないで、沖へと出た。

景色が開けると幾分気分が良い。
室池の新池かそれより大きいくらいの広い溜池だ。

しかし30分、シャローのアシ際を打ち続けるが
ギルしか当たって来ない。
オーバーハングはもう少し沖へ出なくてはならない。
ホントはそこまで行きたいが、
しんどいので近場で攻める?

そして人家の石垣から出ている配水管回りを打っていた時、
待望のバスのアタリが来た。
結構なファイトでこれはデカイと思っていたら35センチと
並の大きさだった。トレーシーにロッドを折られてから、
パワースポーツ大東で新たに買ったロッドがしなるようだ。

次に出たのも護岸された石垣の側に
水没の枝が二本出ている所だった。
これも30チョイ。
また同じように石垣とストラクチャーで三匹目。

結局石垣などの急深の岸際とストラクチャー絡みで釣れている。
そして1時間経ち7時半、
曇っているせいか真っ暗になりタイムアップ。
また便器の横を通り池から上がった。

この池の感想としては、水が動いていない。
また室池のように両脇に山がないので、
日中は影がなく猛烈に暑いということ。
最後に、エントリー場所は便器の横は避けたいという事くらいである。

そうそう、もうひとつ気を付けなければならない
重要事項があった。
それは人家の高い石垣の側を通している時の事である。

いきなり目の前に「どほーんっっ!!」とデカイ水柱が立った。
俺様はトレーシーが「遅い」と怒りにまかせて
投石しているのか、と思った程だ。
そして、とっさに岸際から逃げながら辺りを伺った。
しばらくして石垣の上からおばちゃんが
「ごめーん。水しぶき、かかった?」
と声がする。
庭の要らない石を捨てたようだが、
「頭にヒットしていたら 死んでるぞっ!!」
である。

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